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相続タイムズアーカイブ

贈与税の非課税枠拡大

 

 

明けましておめでとうございます。本年もお付き合いいただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
 
 
◇税制改正大綱発表◇
昨年の12月22日に平成22年度税制改正大綱が発表されました。例年と比べると一週間から十日程遅い発表でした。
新聞などで多く報じられていたのは、子ども手当の創設を前提とした扶養控除の改正でしょうか。
法人税制においても、特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入について、改正が加えられることとなりそうです。この相続タイムズの中では、相続税、贈与税または資産税に関する部分について触れたいと思います。
 
◇贈与税の非課税枠拡大◇
これは、直系尊属(自分の親、祖父母など)から住宅の取得・新築に充てるためにお金の贈与を受けた場合に、通常の非課税枠(110万円)に1500万円が上乗せされる制度です。昨年、500万円が上乗せされる制度ができましたが、これが拡充されたかたちです。
要件としては、贈与税の申告が必要/贈与を受ける者の年齢が二十歳以上/贈与を受ける者の合計所得金額が2000万円以下などです。贈与をする者の年齢制限はありません。
2000万円以下という所得制限が付いているのは、金持優遇という批判を少しでも避けるためのものです。
なお、平成22年については、昨年できた制度との選択適用ができます。昨年できた制度には、所得制限が付いていないため、多額の所得がある場合でも、500万円の上乗せという昨年できた制度は利用できます。
また、平成23年になると、500万円の上乗せ制度は選択できなくなり、さらに1500万円の上乗せ額が1000万円に減額される、という案になっておりますので、贈与を実行する時期と金額について注意が必要です。
 
◇相続税の節税にも◇
贈与税とは相続税を補完する(相続税逃れを防止する)ために作られた税金のため、相続税よりも税額が多くなる計算になっています。
この非課税枠上乗せの制度を使える人は、限られてはしまいますが、1000万円前後のお金を無税で子供へ渡すことが出来るため相続税の減税効果としても大きなものになります。 
次回はこの相続税と贈与税の関係について書いてみようと思います。

相続税・贈与税の節税

 

 

◇たまには税金の話を◇
 これまでこの相続タイムズでは、抽象的な話や、相続に関係のない話が多かったものですから、今後はできるだけ会計事務所らしく、税金に関することも書いていきたいと思っております。
 ただ、相続税や贈与税などの税金について書く、と一口にいっても、それは歴史や、立法趣旨、計算方法、節税方法、税務調査対策、など色々考えられます。通常であれば計算方法を何回にもわたってご説明するということからスタートするのでしょう。 仮にそうすれば私もしばらくの間、内容を考えずに済むので楽になるのですが、それではせっかく読んでいただいてもつまらないものになってしまいますので、相続税を中心に節税になる話を書いていきたいと思います。
 
◇相続税の節税◇
 相続税の大まかな計算方法は、 
     遺産の総額を計算する
     基礎控除を引く
     相続税の総額を計算し各相続人の取得財産の額に応じて按分
という流れになっています。
この中で節税をしていくわけですから、
 ①については何とかして遺産の額を少なくする
 ②については養子をとるなどして控除額を増やす
 ③については各種税額控除を考えて遺産の分割の仕方を考える
ということが相続税対策の大雑把な説明です。
 この中で最も数多くの節税対策が考えられるのが、①の遺産の計算をする部分です。
相続税では、遺産の計算の基本は『時価』とされています。しかし、遺産によっては時価を把握することが困難なものもありますので、『財産評価基本通達』に遺産の種類ごとに計算方法をこと細かに規定しています。
 
◇税制改正も踏まえて◇
 そのため、その計算方法をうまく利用することで遺産総額を少なくすることができ、結果として相続税を節税することができるのです。
 「相続税対策にアパートを建てましょう」というのを聞いたことがある方は多いと思いますが、これも遺産の計算方法の違いを利用したものです。
 しかし、この財産評価基本通達や相続税法は毎年改正が行われており、過去には有効だった節税対策が、全く効果のないものとなることもよくあります。
もうじき『税制改正大綱』という来年の改正の予定が発表されます。
次回からは、その内容も踏まえて、具体的な節税の話を書いていきたいと思います。

 

 

 

1年の計は元旦にあり

 

 

◇相続の事は話しづらい◇
まだ相続が発生していない方々と相続の話をしている時に一番感じるのは、『対策の必要性は十分に理解できたけど、うちにとってはまだ先のことだし・・・』という心の声です。
事実そのように感じたときには、具体的な行動に移ることなく、その場で話が終わってしまいます。
 確かに相続について考えることは非常に難しいことです。
それは税法が難しいからとか、民法が難しいからとか、そんなことではなく、ごく身近な人の「死」について話をしなければいけないからです。自分が死んだときのことを自分一人で考えるだけなら簡単なことかもしれません。しかし、自分の親に面と向かって『あなたが死んだときの話をしたい』と切り出すことは、一段も二段もハードルが高くなります。
相手によっては、怒り出して話にならない人もいるでしょうし、健康面で不安を感じている人であればその不安をいたずらに増長させてしまうことになるかもしれません。
 
◇生命保険のようなもの◇
私は、相続対策を考えることは、生命保険に加入することに似ていると思っています。
結婚や出産というライフイベントに直面すると生命保険の必要性を十分に理解できるのですが、保険料負担の問題や加入の手間を理由に、契約を先送りすることがよくあります。
 しかし、その先送りしている最中に病気になったり事故にあったりした場合には、もう保険に入りたくても入れないという事態が生じます。 
相続も同じで、先送りしている間に病気になって意思決定ができなくなったり、事故で死んでしまったりすればもう手遅れです。
 
◇一日の計は朝にあり、一年の計は元旦にあり◇
 では、「相続の計」はいつでしょうか。私は「今」がその時だと思います。
 『では何をすれば良いのか?』
 どこでも良いので無料相談会のようなところで、弁護士や司法書士、税理士、その他の専門家と話をする機会を作って下さい。
 『でも何を聞いたら良いのか・・・』
 座って話をしていれば、相手が話を進めてくれます。もしそれができない相手であったり、質問内容が決まっていないことを怒るような相手であれば、その場限りにすれば良いだけです。
 じきに年末を迎え、まとまった休みを取られる方が多いと思います。「今」が難しい方はその時に一度考えてみてはいかがでしょうか。

座敷わらし

 

 

◇座敷わらしの宿全焼◇
今月四日の夜、「座敷わらし」という妖怪の目撃例が多いことで有名な温泉旅館が火事で全焼するという事故が起きました。
場所は青森県との県境に位置する、岩手県二戸市金田一で、そこの小さな温泉街に一九五五年に開業された緑風荘(りょくふうそう)という名前の旅館です。
幸いにも、宿泊客や従業員などに大きな人的被害は無かったようですが、建物が全焼したため、二年先まで入っていた宿泊予約を全てキャンセルするという事態になってしまったそうです。
 
◇座敷わらしとは◇
 この座敷わらしとは、岩手県を中心に東北地方にある言い伝えで、「妖怪」というよりも「精霊」などと呼んだほうがいいような存在です。
 由来には、口減らしのために間引かれた(殺された)子供の霊、という悲しいものや、近くの川から上がってきた河童が家に住み着いたものなど様々あるようです。
 この座敷わらしは、家の人や訪問客に悪戯をするともいわれますが、そのようなマイナスの面よりも、主に家の守り神のように扱われ、見た人には幸運が訪れるだとか、座敷わらしがいる家には富がもたらされる、というプラスの存在として言い伝えられています。
 当然座敷わらしがいる家には富がもたらされるのですから、その家から座敷わらしが出て行くと、途端にその家が没落していくとも言われています。
今回の事件が座敷わらしが出て行ったから起こったことなのか、それとも座敷わらしのおかげで、被害が少なく済んだのかは分かりませんが、何にしても全焼した緑風荘にはぜひとも、またもとのような繁盛する旅館に戻り、後者であったことを証明して欲しいと思います。
 
◇故郷のシンボル◇ 
今回、相続と関係の無いこの話を持ち出したのには私的な訳があります。
実はこの金田一という温泉街は私の家の本家(父親の実家)があるところで、小さな頃は毎年夏休みになると遊びに行っていました。その本家も以前は小さな温泉旅館を営んでいましたが、今は後継者がいないことからやめてしまったと聞いています。
いつまでも昔の思い出のまま、ということはあり得ないとは分かっていても、一つまた一つと自分の故郷やルーツが無くなっていくような気がして寂しさを感じてしまい、今回このような話を取り上げさせていただきました。

「平等」な遺産分割

 

▽相続税の歴史△

第二次世界大戦終戦後しばらく経つまで、日本では相続というと「家督相続」という方法がとられていました。戸主(こしゅ)と呼ばれる一家の長が、財産債務の一切を含めて「家」を継ぐという考え方です。戸主が生きている間にこの家督相続を行うこともできたので、生前に家督相続を行った場合には、以前の戸主は「隠居をした」と扱われていました。

この家督相続において一家の長には、男子優先・実の子供優先・年齢が高いものが優先という考え方から、通常長男が選ばれていました。
この考え方が、昭和二十二年に憲法が改正される際に民法も改正され、年齢や性別にかかわらず世代が同じであれば皆平等、という考え方に変わりました。つまり、兄弟姉妹であれば、長子でも末子でも、男性でも女性でも全て平等ということです。
 
▽均等分割は平等か?△
 例えばある男性が亡くなり、残された相続人が妻と子供三人の合計四人だった場合、民法上の分割割合は、妻が半分で子供が残りの半分を三分の一ずつ、となります。
 しかしここで問題になるのは、この分割割合の通り分けることが、必ずしも平等と言えるのか、ということです。
それぞれの家庭の事情により実に様々ですが、子供の一人が家を建てる際に多額の出資をしてもらっただとか、子供の一人が晩年の看病を一手に引き受けて他の子供は顔を出すことも無かっただとか、子供の一人が父親名義の財産を増やすことに著しく貢献しただとか、色々な事情を考えれば、第三者の目から見ても均等に分けることが明らかにおかしい、と言える場合があります。
 何を基準にして、どんな割合で分割するにしても、分割協議で一番大事になるのは相続人全員が納得できるかどうかになります。
それぞれがもらった財産の額が「不平等」であったとしても、その全員が納得できる割合が「平等」な分け方と言えるのではないでしょうか。
 
▽相続対策の重要性△
 先の例では、妻と子供が相続人ということに異論は出ないと思いますが、子供のいない夫婦で夫が死亡した場合には、夫の親兄弟や甥、姪など思ってもいない相続人が関係してくることになります。普段の親戚付き合いによっては、民法の割合に応じて財産を請求されることも十分あり得ます。
 仮に今自分が死んだ場合に、誰が相続人になるのか、相続財産はいくらなのか、相続税はかかるのか、などを一度考えてみてください。こうすることで、遺言書の作成や、納税資金の準備などやるべきことが明らかになってきます。